フリーメイソンの起源

フリーメイソンの起源については諸説があるので、ひとつに限定できないのが実態です。主説ともなっているのが「中世イギリスの石工職人のロッジ説」で、これは1360年にイギリス・ウィンザー宮殿の建造に徴用された568人の石工職人達によるもので、長年培われてきたゴシック建築の自分たちの権利・技術・知識が他の職人達に知られないようにロッジで暗号を使用したのを起源とする説です。

 

ロッジとギルドを混同する人も多いようですが、厳密には別のもので、ギルドは自治都市を基盤としていました。しかし石工業務は工事に応じて臨時雇用する必要があるので、古くからロッジ間の交流があったわけです。従って他所のロッジに行く時に同業者を見分ける方法として暗号や符牒が考えられたのです。

 

こうしたロッジという形態ができたのはスコットランド、イングランド、アイルランドであり、ここから現在のフリーメイソンリーに発展したのは殆どがスコットランドのみとされているようです。

 

もうひとつの主説が「テンプル騎士団説」で、こちらの方が起源が古いのです。1118年、聖地エルサレムへの巡礼者保護のためにフランスで結成されたのがテンプル騎士団ですが、この生き残りがつくった組織という説です。

 

もともとの設立メンバーは9人の騎士ですが、貿易、金融業などで莫大な富と権力を得てから巨大組織となったということです。その後14世紀のフランス王フィリップ4世によって壊滅状態となり、スコットランドに逃げた騎士が新たに作った組織がフリーメイソンリーだという説もあります。

 

又、スコティッシュ・ライトによる位階が広く用いられている理由にもされています。他にも、ソロモン神殿の建築家を起源とする「ソロモン神殿建築家説」、現代のフリーメイソンリーの発足を1717年6月24日のロンドン、グランド・ロッジの結成とする「近代設立説」、などがあります。